インテリアのプロがおすすめする絨毯の素材・ブランドは?

投稿日:2021年4月20日 更新日:2024年5月30日|絨毯・ラグ・玄関マットの基礎知識

4月~5月はお引越しや新築、新規一転お部屋の模様替えで、これからインテリアを揃えたい!と考えている方も多いと思います。お部屋の中で大きな範囲を占める絨毯選びは、おしゃれなインテリアで揃えたいと考えている方には特に重要なポイントになります。

皆様はいざ、絨毯・カーペットを購入しようと思った時、何を重視して選びますか?
・好きな色・デザイン
・価格帯
・ブランドやメーカー、お店
・掃除のしやすさ(洗える)
・機能面(防音・防ダニ等)
・サイズ
・夏用、冬用

などなど…悩むポイントがたくさんありますよね。実際の使い心地はどうかな?おすすめは何かな?と口コミで人気の投稿やSNS等も参考に選ばれる方も多いと思います。

そこで今回は、インテリアショップで7年間家具やカーテン等のインテリアを提案してきた私が、日頃ご来店のお客様にお伝えしている絨毯の素材の種類と特徴、さらにおすすめの絨毯ブランドをご紹介いたします。ぜひ購入の参考にしてください。

 

絨毯・カーペットの素材 化学繊維と天然繊維

ブラウンの手織りウールラグ/ハグみじゅうたんLR205A

ご自身が今使っている絨毯やカーペットの素材は何ですか?

急に聞かれてもすぐに答えられる方は多くはないのではないでしょうか。「何だろう…気にしたことないなあ」とか「多分ふつうの化繊??」とかそんな答えになると思います。

しかし、繊維製品である絨毯やカーペットは、繊維の素材によって肌ざわり、使い心地、メンテナンス性などが大きく異なります。

もしかしたら、インテリアショップの店員さんが色合いやデザインのことよりも「ぜひ聞いてほしいんです」と素材について熱く語ることがあったら少し驚いてしまうかもしれませんね。しかし、じゅうたん選びに後悔しないためにはこの「素材」選びが非常に重要です。ここではじゅうたんに使われる繊維の特徴をピックアップしてご紹介します。

まずは繊維の大きな括りとして「化学繊維」と「天然素材」に分けられます。

■「化学繊維」
石油などを原料に科学的に作る化学繊維や合成繊維のことで、薬品などで合成したり熱で溶かしたりして繊維にします。そのため、継ぎ目がなく加工しやすいのが特徴。天然素材に比べると吸水性が低く、ウォッシャブル仕様のものは、比較的乾きやすいといえます。化学繊維というと安物をイメージする方もいるかもしれませんが、近年は天然繊維に近い質感のものなど、見た目も機能も多様化しています。

■「天然繊維」
天然素材が主原料の繊維のことです。天然繊維はさらに「植物繊維」と「動物繊維」に分けられます。「植物繊維」は麻(リネン・ジュート等)や綿(コットン)など植物を原料にしているもので、「動物繊維」は羊毛(ウール)や絹(シルク)、カシミヤ(ヤギ)等があります。

 

絨毯・カーペットの素材別 メリット・デメリット

現在日本に流通している絨毯、ラグ、カーペットは、ほとんどが化学繊維です。買い替えや引っ越しのタイミングでないと本格的に専門店へ見に行くことは少ないかもしれませんが、まずは素材の違いを知っていただくことが最初のポイントです。

それでは、絨毯・カーペットに使われる繊維にはどんなものがあるのか、メリット・デメリットもまとめてみましたので見ていきましょう。

 

【化学繊維 (ポリエステル、ポリプロピレン、アクリル、ナイロン)】

ポリエステル

安価で加工しやすいため、洋服やカバン、寝具、カーテンなど日常生活のあらゆるものに使われています。なので一番馴染み深い化学繊維ではないでしょうか。日本で流通している絨毯、カーペット、ラグのほとんどはこの素材が使われています。

【メリット】
・摩擦に強くシワになりにくい
・形態安定性にも優れており、扱いやすい
・軽いので、移動や収納の際はコンパクトにできるものが多い

【デメリット】
・毛玉になりやすい
・黒ずみしやすい
・静電気が起きやすい

ポリエステルのラグ

ポリプロピレン

繊維よりはプラスチックとしての活用が多い素材ですが、大量生産ができるため比較的安価で流通しています。水を吸わない繊維のため、撥水カーペットとしてやい草の畳みの代わりとして仕上げられていることも多いです。

【メリット】
・化学繊維の中で最も軽いので持ち運びしやすい
・摩擦に強く毛玉ができにくい

【デメリット】
・熱に弱い
・触り心地はかため

ポリプロピレン(PP)のラグ

アクリル

ウールを目指して開発された繊維で、ウール(羊毛)の代替品として使われています。毛布の素材として使われる位ソフトな肌触りで、デザイン性のあるラグや高級感のあるフェイクファーのラグに多く使われています。

【メリット】
・ふわふわの触り心地
・ウールのような風合いでウールよりも価格が安い
・色あせしにくい

【デメリット】
・価格は他の化学繊維にくらべると高め
・遊び毛や毛羽立ちしやすい
・静電気が起きやすい

ナイロン

丈夫な繊維なのでホテル等の施設のカーペットに利用される素材です。

【メリット】
・摩擦に強い
・遊び毛は出にくい
・色あせしにくい

【デメリット】
・紫外線に弱い
・他の化学繊維よりは高コスト

 

【天然繊維 (ウール、コットン、シルク 、麻ジュート)】

天然繊維の中でも、絨毯・カーペットに使われる代表的な素材をピックアップしました。

ウール(羊毛)

歴史が深いペルシャ絨毯に使われる素材です。造りによっては50年以上使えるものも。値が張るものも多いですが、永く使いたい・自然の風合いを楽しみたいという方に人気です。

【メリット】
・夏冬年中使える
・調湿作用がある
・汚れに強い
・復元力がある
・燃え広がりにくい

【デメリット】
・自宅で洗えない
・遊び毛が出る
・価格が高い

原毛グレーのウールラグハグみじゅうたんER6181

ウールのラグ(ハグみじゅうたん)

ウールラグについてもっと詳しく!


コットン(綿)

【メリット】
・夏冬年中使える
・肌触りが良い
・自然素材の中では低コスト

【デメリット】
・縮み・シワが出やすい
・水汚れは染み込みやすい

コットンのラグ

シルク(絹)

【メリット】
・軽い
・なめらかな肌触り
・光沢がある
・遊び毛は少ない

【デメリット】
・価格が高い
・自宅で洗えない
・紫外線に弱く黄変しやすい
・虫がつきやすい

麻(ジュート)

ジュートは黄麻(こうま)という麻の一種の植物からできる繊維で、ざっくりした素朴な風合いが特長です。汚れやにおいがつきにくく伸縮しないので、古くから敷物や穀物用の運搬袋として使われてきました。
【メリット】
・調湿性・通気性が良い
・汚れや臭いが付きにくい
・耐久性がある

【デメリット】
・雑菌が繁殖しやすい
・洗えない
・湿気に弱い

ジュートラグ

上記に挙げた以外にも、絨毯・カーペットの素材はたくさんありますが、代表的なものを取り上げました。

これから購入を検討している方はもちろん、今使っているラグが何の素材かわからない方はぜひ購入時の説明書等で調べてみることをおすすめします。素材によって取り扱いの仕方や注意点、お手入れの方法が異なります。詳しく知った上で愛用していただくと、より良い状態より長く使っていくことができますよ。

また、上に挙げたデメリットですが、必ずしも全員にとって欠点ではありません。例えば「価格が高い」は、耐久性や汚れにくさ等があればそれだけ長い年数使うことができるので、長い目で見れば毎年買い替えるよりも安いかもしれませんし、汚れが気にならなければ洗濯を頻繁にする手間がなくなるかもしれません。気に入った絨毯・カーペットを見つけたら、デザインだけではなくて、素材も注目してみてくださいね。

 

おすすめは『ウール』5つの理由

それぞれに良さがあり、たくさん知るとどれが良いのか迷ってしまいますね。

いろんな選択肢が広がりますが、インテリアショップの店員としてお客様の実際のお声を聞いてきた経験から、私がぜひおすすめしたい素材があります。

それは「ウール」です。

ウールの絨毯をおすすめする理由1 「お手入れが楽」

お客様のお話している中で「インテリアとしてお洒落なラグ・絨毯は欲しいけれど、今は子供がまだ小さいので子供が汚さなくなってからかなあ…」というお声をよく聞きます。ウールはお手入れが大変そう…とよく誤解されるのですが、ウールの絨毯は先述した通り、ウール特有の脂分が含まれるため汚れに強く、逆に日常のお手入れがとても楽になります。

例えば、お子様がラグの上に大胆にジュースや食べ物をこぼしてしまった時、「もうだめだ~」と目立つ汚れをあきらめてそのままにしてしまったり、そのせいでお子様を叱ってしまったりしてしまうことはありませんか。

日常のよくある一場面ですが、「ラグが汚くなってしまう」という小さなストレスを感じ続けてしまいます。汚れに強いウール素材であれば、水をこぼしてもすぐには中まで浸透せず、濡れ布巾で水拭きができるため、こぼしてしまっても安心感がありますね。

また、衣類用のウールの中性洗剤を使って水拭きすることでより汚れを落とせることがあります(※お手入れ方法についてはウール絨毯えお購入したお店に確認してくださいね)
ウールのラグで探すとデザイン性が高いものが多いので、小さなお子様がいてお洒落なラグを諦めている方こそ使っていただきたいです。

ウールの絨毯をおすすめする理由2 「夏冬、年中使える」

夏冬年中使えることも、お手入れが楽になるポイントです。

夏・冬用ラグを敷き替えると、その度に移動させたり保管する前にクリーニングに出さなければならなかったりと、結構面倒です。衣替えの時期は毎回大変ですね。年中使えるウールラグは、半年ごとに敷き替える必要がないのでその点がとても楽です。

ウールの絨毯をおすすめする理由3 「騒音を軽減する効果がある」

特に小さなお子様がいらっしゃるご家庭では、近隣の方に気を使って過ごしている方も多いと思います。ラグ・カーペットは音を吸収し、遮断する働きがあります。さらに騒音の軽減が期待できるのは、遮音性能の高いラグやカーペットです。日本カーペット工業組合様の実験からは、ウールラグ(特にカットパイル)が遮音等級が高いことがわかっています。特にしっかりと織り密度の高いウールラグは、床への衝撃音を遮断してくれる効果が期待できるのです。

保温性・調湿性のあるウールラグハグみじゅうたん

夏もサラッと気持ちが良いウールラグ

ウールの絨毯をおすすめする理由4 「耐久性があり、環境に優しい」

ウールは自然の繊維の中で特に丈夫な素材です。ウールの種類や作り方によって大きな差はありますが、ウール素材のラグには10年以上 使えるものも多いです。織り方や仕上げが丁寧で目がしっかり詰まっているもの、手織りのものは、さらに耐久性が高くなります。また、近年は環境や自分の生活のことを考え「使い捨てではなく良いものを長く使いたい」という方が増えています。1-2年毎にラグを買い替えるということがないので、環境にも優しい素材といえますね。

ウールの絨毯をおすすめする理由5 「デザイン性の高さ」

お洒落なラグを探している方は必見です。ウールの絨毯・カーペットはデザイン性の高いものが多いです。特に、質の良いウールで織られている絨毯はデザインにもこだわりがありますので、なかなかお洒落なラグが見つからないという方は、ウールラグを選択肢に入れてみてください。また、無地のデザインでもウールの素材感が優しく上質感があるため、インテリアの主役になります。シンプル好きの方にもおすすめです。

もっと詳しく!


 

インテリアのプロがおすすめする絨毯・ラグのブランド

ウールの良さをお伝えしたところで、気になるのはどんなラグがおすすめなのかですね!
次に、おすすめのウールのラグ・絨毯・カーペットを扱っているブランド・メーカーを挙げてみました。

・川島織物セルコン
・スミノエ
・堀田カーペット
・東リ
・ハグみじゅうたん
・ナチュラグ 
・カスタール
・GOSHIMA
・MUNIカーペット

「ウールの絨毯」というとペルシャ絨毯のような柄を思い浮かべる方も多いと思います。

しかし最近は、デザインも洗練され、素材や想いにこだわりをもった商品がたくさんあり、日本の住まいに合わせやすい素材としてウール絨毯には注目が集まっています。価格帯はものによって様々なので、デザインだけではなく厚みや耐久性等、生活スタイルに合わせてじっくり選んでいただくと後悔がなさそうですね。

さらに、ブランドではないですがインテリアとして「キリム」もおすすめです。

キリムは国や地域によって呼び方が異なりますが、大きく言えば平織の絨毯のことです。大きさが様々なので、リビングのラグ、玄関、ソファの上、タペストリーとして…等お家のあらゆる場所に使えるのも魅力です。

地域によって様々が文様が継承されており、色使いも素敵ですね。
中には50年以上前のヴィンテージ品もあるので、自分のお気に入りを探すのも楽しいと思います。

いかがでしたでしょうか。
「どんなカーペットがあるのかわからない」「お洒落なラグが欲しい」カーペット・絨毯の購入を検討されている方は、ぜひウールラグを検索してみてくださいね。

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ウールならではの安心面、汚れにくさ、オールシーズン使えることはもちろん、職人さんの手仕事で作られた四季をイメージした彩り豊かなグラデーションが美しいハグみじゅうたんです。全国約200店舗にて取扱いがございますので、ぜひ一度お近くの店舗でハグみじゅうたんの気持ち良さをご体感くださいませ。

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