靴を脱いで家に上がる文化のある日本では、「玄関」は重要な役割を担います。
そして玄関マットは、訪れる人に与える印象を大きく左右するアイテムであると同時に、ホコリや汚れを家の中に持ち込ませないといった実用的な働きもあります。玄関マットの中でも天然素材のものは、独特の味わいや心地良さ、そして優れた耐久性があるのが魅力です。
本記事ではそんな天然素材の玄関マットについて、特徴や選び方を解説していきます。
目次
玄関マットの役割と重要性
はじめに、玄関マットにはどのような役割があり、なぜ必要とされるのか、玄関マットを敷く理由について解説します。
世界的にも珍しい日本特有の文化として、玄関で靴を脱ぐ生活様式があげられます。
そのため、日本文化における玄関には、外界との明確な境界としての大きな役割があります。
まずは靴を脱ぐ際に外からの汚れを家内に持ち込まないよう、ホコリや汚れをはらう場として、玄関マットがとても役立ちます。また繊維に水滴が吸着するため、雨の日に鞄などを置く際に、床がびしょびしょになるのを避けられます。
さらに靴を着脱するときにはクッションとなり足裏への衝撃を和らげ、座る際にはちょっとした座布団代わりになります。冬のフローリングはかなりの冷たさですが、足元の冷え防止としても玄関マットが重宝されるでしょう。
玄関マットのインテリア性も忘れてはなりません。
フローリングのみの殺風景な景観に、玄関マットを敷くことで家庭的な温かみが加わります。
玄関には家の顔的な役割があり、宅配やご近所づきあいなど玄関先だけでの用事も多いものです。玄関マットは、訪ねてくる人に対するおもてなし効果を演出します。
そうした意味でも、玄関マット選びは家の印象を左右すると考えられます。おしゃれさや、モダン、ゴージャス、洗練、クールや温かみなど、インテリアの個性や季節感を出すことができ、玄関回りの表情を手軽に変えられるアイテムとなります。
玄関マットの天然素材にはどんなものがあるの?
玄関マットに特におすすめなのが、天然素材の製品です。
天然素材とは、自然界に存在する繊維から作られる素材を指し、大きくは植物由来と動物由来に分けられます。主な天然素材の特徴をご紹介します。
動物由来の素材
ウール
羊の毛を原料とする繊維です。
ふっくらとした風合いが特徴で、耐久性、調湿作用、保温性、難燃性、防汚効果、復元性、防音・吸音効果、空気清浄効果、防臭効果、衝撃吸収効果など多くの優れた性質をもつ優秀な繊維です。
羊の毛特有の温かみがある一方で、調湿効果があるため、湿度の高い季節にも対応できて年中使うことができます。
発色や色柄の美しい織が楽しめる繊維であり、オールラウンドで活躍する素材なので、どのような家にもマッチします。
特に機能性に優れている天然素材を求めている人には、ぴったりの素材と言えるでしょう。
シルク
蚕のまゆから取れる糸を原料とする繊維です。
着物などでも知られるように、美しい光沢、贅沢な肌触りを特徴としています。
敷物の場合には、特に高級な絨毯やラグ、マットに使われます。
美的な価値は高いですが、耐久性が乏しいので人の出入りの激しい玄関や子どものいる家庭にはあまりおすすめできません。
柔らかく上品な印象を演出したい、存在感のある玄関マットを選びたいという人には適しています。
植物由来の素材
コットン
綿花を原料とする繊維です。
羊毛と同様に、古くから身近な素材として親しまれており、天然繊維の中では比較的安価な製品が多く提供されています。
赤ちゃんや高齢者の肌着などでも採用されるほど刺激が少なく、遊び毛も出にくい素材です。家で手軽に洗える製品が多く、丈夫で扱いやすいのが特徴です。
人数の多い家族、子どもや学生がいる家庭、人の出入りが激しいといった環境でも気にせずに使うことができます。
フレンドリーさやカジュアルなイメージの玄関インテリアを好む人にはおすすめです。
麻(リネン、ジュート、サイザル)
麻科の植物の繊維が原材料です。
調湿性・通気性・耐久性に優れ、ざっくりとした風合いが持ち味です。さらさらとした肌触りが特徴で、特に暑い季節や湿度の高い時期に向いています。
織柄の美しいものが多く、穏やかさを感じる発色が魅力的。玄関インテリアに爽やかさ、ナチュラル感を求める人におすすめです。
天然素材の注意点と対処法
天然素材の玄関マットには、化学繊維では得られない数多くの魅力があります。
その一方で、せっかくの風合いを損なわないために、扱い方には注意が必要です。
取扱について注意するポイントと、困った時の対処法をご紹介します。
お手入れ方法について
天然素材は化学繊維のものと異なり、綿製品などの一部の製品を除いて洗濯のできない製品が多く見られます。また洗濯が可能であっても、扱いを間違えると元の状態に戻らないおそれがあります。
お手入れの際は、まずは取り扱い表示をしっかりと確認し、必ず手順に従って行うようにしましょう。
一般的なお手入れの手順は以下の通りです。
自宅で洗える場合
前もって大きなゴミやホコリをとっておくと、再汚染のリスクを減らすことができます。
洗濯機洗いができる場合には大き目の洗濯ネットに入れ、中性洗剤を入れて手洗いモードを使います。脱水時間はできるだけ短めにした方が、シワなどのトラブルを防げます。
手洗い表示の場合には、大きめの桶に水に近い温度のぬるま湯を入れ、中性洗剤を溶かして押し洗いします。水温が熱すぎると縮みの原因となるため、注意しましょう。
洗剤が残らないようにすすぎを行い、タオルに挟んで水気を絞るようにします。
いずれの場合でも乾燥機を使わず、陰干しでしっかり乾燥させることが大切です。
自宅クリーニング不可の場合
例えば天然ウールの場合は、繊維の特性により通常の使い方であればあまり汚れの心配はありません。
掃除機・ブラシがけ・粘着ロールなどで、ホコリを取るだけでも長くきれいに保つことができます。
掃除機は縦横90度を意識するようにかけると、効果的にホコリを吸い出せます。粘着ロールはあまり頻繁に行うと、繊維まで取り除いてしまうため、頻度を考えて優しく滑らせるように使います。こまめなブラッシングはホコリを除去し、毛流れを整えられるのでおすすめです。
目立つ汚れは中性洗剤を溶かし、固く絞った布でたたくように汚れを取った後、乾いた布で拭くと目立たなくなります。
クリーニングに出す場合には、天然素材を扱える信頼性の高い専門業者への依頼がおすすめです。
遊び毛について
天然素材の玄関マットの場合、遊び毛の発生が多く見られます。
遊び毛とは一見すると、綿ボコリのようなもので、その正体は毛足の中の短い毛や、製造工程で繊維を撚る際に出てくる短い繊維です。つまり、ホコリとは違い汚いものではありません。
遊び毛は特にウールで多く発生し、使いはじめほどたくさん見られますが、時間の経過とともに次第に落ち着いていきます。ただし天然繊維から自然に出るものなのでまったくなくなるということはなく、時間が経っても多少は出続けます。
遊び毛が気になるという人もいるかもしれませんが、こまめな掃除機がけで対応できます。また遊び毛があることで、除去される際に汚れやホコリも落ちるため、クリーニングを必要としないのです。
天然ウールが長くきれいに保てる理由は、この遊び毛があるからと言えます。
逆にほとんど遊び毛が見られない綿製品などは、汚れが目立ちやすいというデメリットがあるため、どちらが良いかは考え方次第です。
満足度の高いエントランス演出には天然素材の玄関マットがおすすめ
玄関のインテリアはその家の印象を左右するとても大切な要素です。趣味の良い玄関マットを置くだけで、空間のイメージをグレードアップさせることができます。
玄関は家族が日常的に利用する場所でもあるため、見た目だけではなく機能性も大切です。天然素材の玄関マットであれば、足元を心地良く包み、暮らしに快適さをもたらしてくれるでしょう。
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