手仕事じゅうたんの【品質管理】を通して

投稿日:2019年8月21日 更新日:2023年7月7日|絨毯・ラグ・玄関マットの基礎知識

梅雨のジメジメした時期が終わり、暑い真夏も若干落ち着いてきたこの頃ですが、皆様体調管理は万全でしょうか。
全国で、まだ熱射病の方々も報告されておりますので、是非ご注意ください。

さて、そんな気候の日本を離れ、今月の初めから先日にかけてハグみじゅうたんの生産地へ渡航してまいりました。
この季節、気温は日本とさほど変わらない中、現地は梅雨真っただ中。。。

日本の梅雨よりもさらにジメジメした環境を堪能してきたのですが、生産地の気候は一年を通して過酷な気候となっています。
今回は生産地の気候や環境を踏まえて、私達が品質管理の為にどんな業務を行ってきているかご紹介致します。

手仕事じゅうたんの【品質管理】を通して 目次

  • ハグみじゅうたんの品質管理について
  • 生産地スタッフとの連携
  • 検品業務の大切さ
  • 手仕事じゅうたんの【品質管理】を通して まとめ

 

ハグみじゅうたんの品質管理について

前述した通り、私達品質管理チームは日本を離れ生産地へ行ってまいりました。
そう、改めてお伝えしますと、ハグみじゅうたんは日本国内でデザインしていますが織り上げているのは海外の工房です。
いくつかの国々で工房がありますが、気候や環境はどこも日本とは異なります。

日本は【春】【夏】【秋】【冬】と四季があって、それぞれ季節がはっきりしています。
しかし今回私達が向かっている国では、一年を通して下記のような3つの季節に分かれます。

【冬】 → 【乾季(真夏)】 → 【雨季(梅雨)】

まず、【冬】について説明をします。
冬と聞くと、日本の冬のように雪が降り氷点下まで気温が下がるようにイメージしてしまいますが、実はそうではありません。
生産地の冬の期間は、12月~3月までと日本と変わりませんが早朝・深夜で1℃~9℃の一桁台、日中は20℃まで気温は上がります。

生産地【冬】の風景

霧で覆われ、車もスピードを落とします

では、【乾季(真夏)】はどうでしょう。
期間は4月~6月までの三ヵ月間で、短い期間となっています。
平均して40℃近い気温となり、最高で50℃を上回る時もあります。

そして、7月~11月までの【雨季(梅雨】となります。

雨季ならではの冠水

雨が降った後は、冠水してしまうところも…

このように日本とは異なる環境の生産地ですが、現地の職人の方はそんな過酷な気候の中でハグみじゅうたんは織り上げられています。

では、そんな職人の方々が一生懸命織り上げたじゅうたんを私達はどのように品質管理するのでしょうか?

方法は小さなことから大きなことまで数えきれませんが、大きなチェック項目として3点あります。

  • 染色行程のチェック
  • 織り上げる工程のチェック
  • 完成形のチェック【実物の検品】
  • 1つずつ順を追ってご説明します。
    まず染色工程のチェックですが、ハグみじゅうたんに使われる染色糸は大きな染色窯の中に大量のウールを投入して染めていきます。

    染色糸 染め

    ぐつぐつと熱湯の中にくぐらせていきます

    この時、目的の染色糸に仕上げるために染料を微調整しながら染色を行うのですが、一筋縄にはいきません。

    同じ染色糸を作る為には、同じ量の染料を水に溶かせば良いのではないか?
    と思ってしまいますが、実は気温や湿度によって、染まり具合に微妙な差が生じてしまうのです。
    加えて、染色するウールも同じ色に見えたとしても、1本1本色の差や糸の太さにも差が出てきます。

    染料の量を同条件にして、染め具合に違いがあるのか確認をしたことがありますが、やはり同じではありませんでした。

    その為、染色を担当するスタッフの方々は非常に神経を使いながら、色の微調整を行っています。
    その技術は私達にはとても真似できない、まさに職人技だといえます。

    次に織り上げる工程のチェックですが、今回私達品質管理部が訪れている工房は<てざわりコレクションシリーズ>を織り上げる工房です。
    大きな機織り機を使い、器用に小気味よく複数人で織り進めていきます。

    私達は機織り機に入り組みながら通されている糸や、毛足を作る為の器具、織り機自体を良く観察し、不備が無いかトラブルを引き起こしそうな部分が無いか等、入念にチェックします。
    但し、いつも専門の職人の方々がメンテナンスをしてくれているので、大きな問題を発見したことはありません。

    最後にハグみじゅうたんとして形が出来上がった完成形のチェックです。
    私達はこのチェックの事を、通称【検品】と呼んでいます。

    この検品に関しては、1番最後の項目で詳しくご説明させて頂ければと思います。

     

    生産地スタッフとの連携

    私達品質管理チームは、1年に5~7回程生産地に赴き現地のスタッフと打ち合わせ・検品業務を行っています。
    1回の渡航でだいたい1週間~2週間ほど滞在するのですが、その期間で全ての業務をやりきるには、現地との連携が非常に重要になってきます。

    この世の中、NETやアプリが非常に便利になってきています。
    生産地まで行くほどではない、にしてもメールでは物足りない。
    そのような時はテレビ電話等を使って課題の解決を図ります。
    また、ある時はデザインの提案・サンプル作成の依頼等もしています。
    事前にこれらを日本で行っていくことにより、生産地での打ち合わせもスムーズとなり、より品質管理・検品業務に時間を割くことが出来るのです。

    私達にとって、絶対に妥協できないのが品質の向上です。
    有難いことに、ハグみじゅうたんはほぼ日本全国に広まり、様々な世代のお客様から指示を頂いています。
    だから現状で満足するのではなく、さらに品質を高める取り組みが必要なのです。

     

    検品業務の大切さ

    お待たせいたしました。
    ハグみじゅうたんの【検品】について、その重要性をご説明させて頂きます。

    皆さんは検品と聞いて、どのようなイメージがわくでしょうか?
    目で見て、製品としてNGなものがあれば除外し、OKなものだけを商品としてお客様に提供する。
    一般的に考えれば、上記のようなイメージかと思います。
    ハグみじゅうたんの検品は、少し違います。

    ハグみじゅうたんには天然素材で、手仕事で織り上げられているからこそ、機械で織り上げられた既製品とは違い個体差が生まれるという特徴があります。
    ですので、製品として問題が無いと判断する為の、基準となる数値を各検品項目で設定しています。

    基準数値の範囲内であれば製品としてOK。
    基準数値の範囲外であれば製品としてNG。

    当前ですが、上記のようになります。

    但し、先でも記載した通り天然素材で織り上げているからこそ、個体差が生まれるという特徴がありますので、その特徴は最大限活かし、味わい深いじゅうたんとなるように検品業務を行っております。

    今回の渡航では、様々な工房で検品業務で約1,500枚程のじゅうたんを検品してまいりました。
    検品風景は是非ご覧いただきたいのですが、山積みになったじゅうたんは圧巻です(笑)

    山積みのじゅうたん

    自然と笑いがこみ上げてきます(笑)

    が、日本でハグみじゅうたんを心待ちにしている皆様の為、1枚1枚妥協せずに隅々まで検品を行ってくるのです。

    もちろん、これからもその考え方と意志は変わりません。
    終わることない品質向上を目指して、これからも品質管理チームは動いていきます!!

    過去に渡航した際の記事も是非ご覧になってみてくださいね!!

    事務局スタッフが行く!ハグみじゅうたん生産地リポート①
    手仕事じゅうたん検品の旅 2016年7月 ①

    playlist_add_check手仕事じゅうたんの【品質管理】を通して まとめ

    生産地の気候・環境は日本よりも過酷な状況!
    生産地スタッフと私達の密な連携が品質の向上に必須なものである!
    天然素材で手仕事で織り上げられているからこそ、ただの既製品とは違い個体差が生まれる!

     

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