昨年、私はシルクロード絨毯塾に参加をし、「絨毯アドバイザー」を取得しました。
その中で、絨毯の勉強をするために、イランにも行かせていただきました。
これからは、そこで学んだこと(少し専門的になるかもしれませんが 笑)も交えつつ、ご紹介できればと思います!
早速、本日の話しを始めます!
ハグみじゅうたんの素材「ウール」。
世の中にもウールラグはたくさんあります。
今日は、そんなウールラグができるきっかけにもなった、人と羊が一緒に暮らし始めた時の話をしようと思います。
【目次】
・定住化と牧畜のはじまり
・人と羊、共同生活のスタート
・羊やヤギと共に暮らす~現代版~
イランの山岳地帯にて、羊を放牧しているところに遭遇した時の光景
定住化と牧畜のはじまり
そもそも、織物は植物の蔓(つる)などを籠状に編むことからはじまり、ムシロ状のものへと進みます。
そこから、ベースの糸(経糸:たていと)を固定して織っていく形を経て、発達していったと推測されているのです。
ちょうど、旧石器時代から新石器時代、狩猟採集生活から農耕生活への移り変わる時期です。
ちなみに、西アジアで麦作栽培が始まったのが、紀元前8,000年頃といわれています。
それに伴い、定住化が進み、生活も変化していき、牧畜がはじまるきっかけにもなったのです。
日本でいうと、縄文時代のはじめの頃です。
人と羊、共同生活のスタート~ウールラグのはじまり~
羊の家畜化は、犬に次いで古いと言われていて、紀元前6,500年頃、西アジア北半部で進行したようです。
食料として狩猟の対象だった野生のヒツジは、個別の狩猟から、やがて追込み猟へ。
そこで捕獲、飼育されることにより、家畜へと変わっていったのです。
ちなみに、ヤギも同じ頃に、同じ地域で家畜化が始まりました。
イランの羊は日本で見かける白い羊だけではなく、グレーや茶色の子もいるんです
羊やヤギは食肉用だけでなく、やがて乳製品や繊維品としても利用されるようになったようです。
羊やヤギのミルクの利用は、紀元前5,000~3,000年頃といわれ、乳製品がそれ以前にあったという説もあります!
また、抜け落ちた毛がからまり、フェルト状になることを知り、羊毛を紡いで毛糸を作りました。
それが織物の材料ともなったのです。
ウールの絨毯やラグのはじまりですね!
※参考:ペルシャ絨毯概論(シルクロード絨毯塾)
ヤギや羊と共に暮らす~現代版~
現在でも、羊やヤギとともに暮らしている遊牧民が、イランの山岳地帯にいます。
私は昨年、そのイランに行かせていただき、遊牧民さんのテントに一泊させていただきました。
その際にも昔ながらの方法で、バターやチーズを作っていました。
↑これは、ヤギの革を袋状にした「マシュク」というもので、この中にミルクを入れて、ひたすら振る!
これでバターが出来上がります。
なかなかリアルなフォルムですが、遊牧民さんにとっては非常に大切な道具です!
ミルクはそのまま飲んだり、バターやチーズにする。
羊の毛は紡いで糸にし、絨毯を織る。
肉は、普段は食べないのですが、来客がある時にだけは、歓迎の意味を込めてふるまってくれます。
絶妙な力加減で糸の太さが決まります。なかなか難しかったです・・・。
今も彼らにとって、羊やヤギは衣食住の生活を支えてくれる、なくてはならない存在であり、家族でもあります。
その思い込めて女性達が織る絨毯「ギャッベ」には、羊やヤギが描かれるのです。
【ウールラグのはじまり】まとめ
・定住化に伴う生活の変化でヤギや羊の家畜化が進んだ
・抜け落ちた毛がフェルト状になることを発見⇒毛糸が生まれた
・今も昔も人と羊は支え合って生活している
これらの、人と羊の共同生活がきっかけで、長い年月を経て「ハグみじゅうたん」も生まれました。
ハグみじゅうたんやウールの絨毯やラグを見た時に、思い出していただければ幸いです。
そして、このブログを通して、少しでも絨毯を身近に感じていただけると嬉しいです!
次回もお楽しみに♪
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