希少な手織り絨毯「ハグみじゅうたん“ておりシリーズ”」の製作工程

投稿日:2017年12月16日 更新日:2023年7月18日|絨毯・ラグ・玄関マットの基礎知識

全国で開催されている「ハグみじゅうたん展」では、「ておりシリーズ」「ておりCOLLECTIONシリーズ」というシリーズが人気のため、ご予約で入荷をお待ちいただくことが多くなっています。
「でも、どうしてそんなに時間がかかるんですか?」
はじめはそうご質問いただくお客様にも、ておりシリーズの制作工程をお伝えすると、
「そんなに大変なんですね~、では楽しみに待っています!」
と言っていただけることも。

本日は、大量生産できない手仕事じゅうたん「ハグみじゅうたん」の中でも特に希少な「ておりシリーズ」についてのお話です。
これまであまりご紹介していないておりシリーズの織りの製作工程をご紹介いたします。

希少な手織り絨毯「ハグみじゅうたん“ておりシリーズ”」の製作工程 目次

  • ておりシリーズ 手結び絨毯の製作工程
  • 「織り」の工程だけで2ヵ月半以上(!)かかります
  • 大切な仕上げの工程と複数回の洗浄
  • 希少な手織り絨毯「ハグみじゅうたん“ておりシリーズ”」の製作工程 まとめ

 

ておりシリーズ 手結び絨毯の製作工程

ておりCOLLECTION LR438A

ハグみじゅうたんのておりシリーズは「手結び」で織り上げる手織り絨毯です。
手織り絨毯というと、ペルシャ絨毯やトルコ絨毯や鍛通などの高級絨毯を思い浮かべるかたも多いかもしれませんね。
ておりシリーズは“シングルノット”と言われる織り方で、一織り一織り糸を手で結びつける方法で織り上げています。

ペルシャ結びの図

※「ノット」というのは手織り絨毯で使われる言葉で、糸の「結び」をことを言います。

ですから、製作にはとても時間がかかり、在庫を持つということ自体がとても難しい絨毯です。
そのため、国内にある在庫は限られていて、通常は受注生産となります。
たくさんの生産地でたくさんの織り手さんがハグみじゅうたんを織ってくれていますが、数カ月から半年、品番・サイズによっては1年以上お待ちいただくこともあります。
そんなておりシリーズは糸を染めるところから始まります。製作工程をおおまかにご紹介すると、下記のようになります。

1. 糸を染める ⇒ 乾燥

2. 絨毯を織る ⇒ 縦糸のコットンに手結びで横糸1本1本結びつけて織っていく

3. シャーリング ⇒ 毛足の長さを揃える

4. 洗浄

5. 裏面の処理 ⇒ バーナーで裏面を焼く

※途中に洗浄の工程が複数回入るため、順番は少し異なります。

さて、ておりシリーズでは手紡ぎの糸を使うのですが、これがておりシリーズの風合いに大きく影響しています。糸の太さが均一にならない手紡ぎ糸は、絨毯に独特の表情を出してくれます。

ておりシリーズの手紡ぎ糸

ておりシリーズの手紡ぎの糸についてご紹介している記事がありますので、是非ご覧ください。

手織り絨毯の楽しみ方 ~表情の違いを楽しむ「ており」シリーズ

▲ 光の加減や見る方向によって表情を変える「ておりシリーズ」の繊細な美しさの秘密を解説!

 

「織り」の工程だけで2ヵ月半以上(!)かかります

では、この製作工程で1枚織り上げるのにはどのくらい時間がかかるかというと・・・
Mサイズ(約150×200cm)の大きさで、約2ヵ月半~3ヵ月かかります。
でもこれは「織る」時間のみを考えた場合です。上述の「2. 絨毯を織る ⇒ 縦糸のコットンに手結びで横糸1本1本結びつけて織っていく」だけの時間です。この他にも、とても重要な工程がいくつもあります。

そのうちの一つが「洗い」の工程です。
織り上げる際に何度も洗い、櫛でブラッシングすることで、パイル(毛足)に美しい光沢が出ます。
薄くて、軽やかな手織り絨毯の秘密はこの洗浄とブラッシングが大きく関わっています。

そうして、毛足の長さを揃えたり、裏面を焼く処理をしたりと、丁寧に仕上げの工程をすることで丈夫で美しいており絨毯になります。

 

大切な仕上げの工程と複数回の洗浄

さて、その仕上げの工程をもう少しご紹介すると、上述の 3、4、5 の工程があります。

・シャーリング(毛足の長さを揃える)
・洗浄
・裏面の処理(バーナーで裏面を焼く)

「シャーリング」という工程は、パイル(毛足)の長さを揃えるもので、仕上げの段階で行います。
ハグみじゅうたんはシンプルなストライプやグラデーションがほとんどですが、このシャーリングをした後はぼんやりしていた柄がくっきりしてきます。

洗浄は途中で何度か行うのですが、「ておりシリーズ」の場合は5回~7回程あります。
洗浄するということは最後に乾燥の時間が必要になります。天日干しで太陽の力で乾燥させるハグみじゅうたんは、天候にとても左右されやすい作り方をしているのです。
自然素材を自然になるべく負担をかけない作り方で、昔ながらの手仕事で仕上げています。

裏面をバーナーで焼くというのは、ご存知無い方もいらっしゃるかもしれません。「焼く」なんていうとびっくりしますよね。これは余分な毛を焼き切ることと、熱によって裏面のウールがぎゅっと締まり、より丈夫になるためです。
この他にも、細かい仕上げがたくさんあります。
裏面に自然由来の糊を薄く塗布する工程、「ストレッチング」という絨毯をピンと張った状態にしてシワをとる工程などなど、一般の方にはあまり知られていない工程をたくさん経て、1枚の絨毯が出来上がるのです。

ですから、製作工程がすべて終わるまでは1枚あたり4、5ヵ月くらいかかるのです。生産地の天候不順などの影響などで、もっと伸びることもあります。さらに、生産地から飛行機の旅で日本にやってきたじゅうたんたちを待っているのは、ハグみじゅうたんスタッフの厳しい検品です。
最後にこの検品をクリアした「ておりシリーズ」だけが、皆様のお手元に届くのです!

 

playlist_add_check まとめ

 「ておりシリーズ」は一織り一織り糸を手で結びつける方法で織り上げます
 「織る」という工程だけで(150×200cm)の大きさで、約2ヵ月~2ヵ月半かかります
 丁寧な仕上げの工程と洗浄が魅力ある光沢の秘密
 製作工程には天候も大きく関わります

たくさんの職人さんが携わり、ようやく出来上がる1枚のハグみじゅうたん。ておりシリーズの魅力は、手結びで織り上げ、1つ1つの工程を丁寧に仕上げる手仕事だからこそ生まれるものです。
お待たせしてしまうこともありますが、是非、愛着を持って長く楽しんでいただけると嬉しいです。

「ておりシリーズ」はなぜ希少性が高い?

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