手仕事じゅうたん検品の旅 2016年7月②

投稿日:2016年8月2日 更新日:2023年7月18日|絨毯・ラグ・玄関マットの基礎知識

こんにちは。
前回の検品の旅①に引き続き、生産地にてこのブログを書いています。
今日は工房のうちのいくつかを見学させてもらい、生産指導も行ってきました。
糸を染める工程を皆様にもご紹介致します!

前回の記事はこちら↓

手仕事じゅうたん検品の旅 2016年7月 ①
手仕事じゅうたん検品の旅② 目次
  • ハグみじゅうたんの色を創り出す
  • ハグみじゅうたんのレシピ
  • 糸巻きのシャイな女性たち

ハグみじゅうたんの色を創り出す

ハグみじゅうたんは日本の原風景や、四季折々の自然をデザインモチーフにしています。
日本の昔ながらの縞模様を現代風にアレンジしたものや、四季をイメージしたてざわりシリーズのグラデーションなど、鮮やかながら日本の住まいにすっと溶け込む繊細な色合いがじまんです。

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そのハグみじゅうたんの色を創り出す大切な工程が糸の染めです。
糸を染めるための一番最初の仕事は・・・実は釜に火をおこすことです。
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釜に火をおこして湯が煮えるまでにおよそ1時間。
早朝から準備を始めます。
そして、湯が沸くと染料を配合した液を混ぜ、ぐつぐつと煮えたぎる熱湯の状態で何度も糸をくぐらせることで色をつけていきます。

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立っているだけでも手足から汗がにじみ出る暑さの中、釜の近くは本当に地獄のような暑さ!
この釜にハンドルを回しながら何度も糸をくぐらせます。

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私たちはほんの一時、側にいただけですが、染め職人さんたちは毎日こんな暑い思いをしているのです。
頭が下がると同時に、この糸を少しでも無駄にしてはいけない、と強く思います。
だから、ハグみじゅうたんも糸が切れたらそこから結び直してまた織り続けます。
この結び目が『ネップ』と呼ばれるものです。

ネップについて以前の記事でご紹介しています。是非併せてご覧ください。

自然素材と手仕事の証 ウールラグの結び目、ネップ

ハグみじゅうたんのレシピ

糸を熱湯にくぐらせる回数は決まっていません。
気温や湿度によって染まり具合が違ってくるからです。
職人さんのカンで上手に調整してくれるのですが、実は色のレシピもちゃんとあります。

少しだけお見せすると
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こういったレシピ本が何十冊とあるのです。
こんなふうに豊富なレシピと、熟練の職人さんの技術を持ってしても毎回同じ色に染め上げることは難しいのです。
でもその違いが綺麗な濃淡を生み出したり、絨毯に表情を与えてくれる秘密でもあります。
そこが『手仕事』の素晴らしさなのだと思います。

ハグみじゅうたんの糸はさらに濃淡を付ける染め方をしてもらっています。

この他にも、“スペースダイ” という、とても技術のいる染め方があります。
これも少しの手の加減でガラッと表情の変わる絨毯になる面白い染め方です。

ER6175ER6175 にもスペースダイが使われています
こちらは2色のスペースダイ

この染めについても近いうちに詳しくご紹介したいと思います。

 

糸巻きのシャイな女性たち

染め上がった糸は天日干しで乾かします。
自然の力は本当に偉大です。
絨毯を織り上げた後に洗浄するのですが、ここでしっかり糸を乾燥させていないと、色の定着が弱くなり色落ちに繋がります。
色が冴えなくなる、というか色がくすんだような感じになります。
ですから、絨毯作りには天候がとても重要なのです。

私達が訪問した日はあいにく曇り空。
糸を干しているのを見ることができませんでした。が、翌日別の染め工房で糸を干しているところを見せていただくことができました!
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染めた糸を巻くのはどの工房でもだいたい女性たちの仕事です。
挨拶すると、少し照れた様子で笑顔を返してくれました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA普段お仕事をしているところを見られることがないので、ちょっと緊張気味のよう

 

 

次に向かったのは絨毯を織る機織り機のある工房です。
実は、道中生産管理チームのスタッフの一人が車酔いしてしまいました。
というのも、車で移動する道のりは道路事情が悪く、部分的に舗装されていてもデコボコしていたり、工事中で瓦礫が山積みになったままだったりとかなり激しく揺れ続けるのです。
場所によっては、そんな道を3時間~4時間ほど揺られ続けます。

加えて、ドライバーさんの運転がなかなかアナーキー(笑)
交通量の多い道路は、車・自転車・バイク・歩行者・動物(牛やヤギ、犬など)がたくさんいるのですが、上手によけながら、なかなかのスピードで走ります。

P7280286道路をゆうゆうと横断していったアヒルの一家
ドライバーさんはよけるのが上手

今日も「もう少しスピードを落としてくださいー」とお願いすること数回。

こんなところにも、私たち日本人との感覚の違いを感じます。
だからこそ、しっかりと丁寧に伝え続けなければ良い品質のものは作れないのです。

普段乗り物酔いをまったくしない私も、気持ち悪くなってしまうこともありました。
でも、工房に着けばスタッフ皆シャキッと切り替えて仕事に臨みます。

さて、次は絨毯を織る工程ですが、この続きはまた次回ご紹介致します!

続きはこちら↓

手仕事じゅうたん検品の旅 2016年7月 ③

 

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